
ニューオリンズのストリートパフォーマー再び再び。
もうニューオリンズについて書くことがない。たかが2回行ったことが
あるくらいだし。だからといって”再び再び”とか言って終わらせてし
まうのも癪。何か書く。
この写真を撮ったのは他のニューオリンズ写真と同様、今年の3月ごろ
にMardiGrasに行った時。まだ写真の授業をとり始めてあまり時間もた
っていなかった。だからよく覚えているのは誰か知らない人を撮ってい
るときの心地の悪さ。カメラに加えて被写体をもコントロールしなくて
はいけないというのは当時結構大変なことだった。
この心地の悪さは今ではさすがに慣れてきた。新聞社でインターンとし
て報道写真家見習いを始めて半年がたちつつあるし、まあ、そろそろ慣
れてきていないと微妙。とはいえ、最初から誰を撮るかわかっている取
材とそうでない取材の前の心持ちはちょっと違っている。
誰を撮るかわかっている取材というのは、被写体がたとえばどこどこの
誰で何時にアポイントメント、なんていう場合。そういう時は相手もフ
ォトグラファーが来ることを知っているから、やりやすい。名前なんか
も尋ねなくてもリポーターからの撮影依頼の紙に書いてあることが多い
し、全体的に気が楽。
それに対して、誰を撮るのかわかっていない撮影はかなり心地が悪い。
というのもたいていの場合、写真を撮っていいかという許可は得ずに勝
手に近づいていって撮りはじめるから。そういうときの反応は本当に人
それぞれで、なぜ撮っているのか質問してきたり、無視を決め込んでみ
たり、新聞のための撮影だと気づいて恥ずかしがりだしたり。こちらと
しては、無視が一番いい。その人がそこで自然にやっているアクション
を写真におさめることが目的なわけだから写真を撮ってることを気にせ
ずそれを続けてくれればこっちとしては大助かり。
昨日撮った空港での写真は”被写体未定”系だった。その写真は、市か
ら助成金をもらって二年間運営をつづけてきたある航空会社がもう助成金
なしで営業できるようになった、というビジネスセクションの記事のため
のもの。空港は許可がないと写真を撮ってはいけない場所のひとつ(学校
、病院などと同じ)なので、メインオフィスで許可を取り、チケットカウ
ンターに向かう。カウンターで働く接客係の人に事情を説明し、撮影開始。
飛行機に乗り遅れまいと次々とやってくる人たちがチケットの手続きをす
る様子を勝手に近づいていってフラッシュをたきながらバシャバシャ撮る。
事情を知っている接客係が何も言わないので、客も特にあからさまに質問
してくることもなかったが、やっぱりこちらとしては許可なしでまったく
知らない人を撮るのは(しかも一枚や二枚じゃないし)心地が悪い。
じゃあ、撮りはじめる前に話しかければいいと思うかもしれないけど、そ
れをしてしまうともう自然な写真(Candid Photos)は期待できなくなっ
てしまう。しぐさがなんとなく演技がかってくるし、悲惨な場合には”何
をして欲しいか”とか聞いてきたりする。そんなことになったらもうその
被写体はあきらめるしかない。頼んで何かをしてもらった写真など表情や
しぐさが不自然極まりないし、第一そういう仕組んだような写真は新聞に
は載せられない。だから、上に書いたような”恥ずかしがりだす”ような
人も、まあ気持ちはわかるのだがこっちとしては困ってしまう。そんなわ
けで、俺は撮る前に話しかけないし、おかげでかなり神経をすり減らしな
がら撮ることになる。
結局昨日の空港での撮影は俺の存在を(新聞のための撮影だとおそらく気
づきながらも)完全に無視してくれた女性のおかげで無事終了。飛行機の
フライトが結構迫っていたところをかなり無理を言って名前を聞くことに
なってしまったが、それはまあ飛行機にこれから乗る人たちを撮っている
のだから仕方ないといえば仕方ない。
ちなみに、いくら勝手に撮り始めていても撮った後にちゃんと話しかけま
す。名前が必要だし、第一許可なしで写真を新聞に掲載することはできな
いので。
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